サークルの履歴、昔の同人ショップ、ゲームエンジンの作成について
Siter Skainとのインタビュー、第1部
シュールズ・ダグラス (Douglas SCHULES)によるインタビュー
Daedalus Machine
Siter Skainは長く活動されていらっしゃいますが、御サークルのウェブサイトによると初めて参加されたコミケは1999年のC57でした。御サークルの履歴と進化につて少し教えていただけますか。 SITER SKAIN SITER SKAINは大学時代の友人で作ったサークルです。当時はサークル形式でなく各個人が制作しているのをお互い助け合っていたという感じでした。社会人になった後、初作品の「神威」の完成にあわせてコミケ参加のためにサークルという形にした、とうのが始まりです。 Daedalus Machine Siter Skainという名前はどうやって決めましたか。 SITER SKAIN 大学時代の友人たちでやっていたテーブルトークRPGに出てくる街の名前が由来です。メンバー皆がそこに集まるイメージだったので自然とその名前に決定しました。 Daedalus Machine いいですね。私も高校生の時にテーブルトークRPGをいくつかやった事があります:D&D、DCコミックのヒーローがテーマになったもの、ニンジャタートル(びっくりですが)がテーマになったものなど。メンバーの方々はどんなゲームをやりましたか。 SITER SKAIN ゲームマスターをやっていた友人は他にもいろいろやっていたと思いますが、自分は実はこの友人が作ったオリジナルのテーブルトークしか遊んだことがないため、有名どころすら全くしりません。かなり珍しいパターンだと思います。 Daedalus Machine Siter Skainとして活動されてきてから、いくつぐらいゲームを制作されましたか。 SITER SKAIN ゲームは完成品が3本、開発中のものが1本です。他にはサントラ2枚、設定資料本が1冊です。活動期間の長さのわりに本数は少ないと思います。 Daedalus Machine その中のいくつかについて簡単にご紹介いただけますか。 SITER SKAIN 縦スクロールSTGの「神威」「RefleX」「ALLTYNEX Second」はそれぞれゲームシステムは異なりますが、1つの世界観を共有したシリーズです。「神威」は「低高度へ自動照準システム」、「RefleX」は「敵弾を反射するシールド」、「ALLTYNEX Second」は「近接攻撃用ブレード」等、ゲームシステムの特徴は全く違います。全ゲームで共通してるのはゲーム内の演出に力を入れているところです。この3作品の英語版はSteamでNyuMediaさんから販売中です。 現在は重量タイプのロボットを操作する全方位タイプのSTG「重竜騎兵ドラグアームズ」を開発中です。
Daedalus Machine
ゲームシステムの特徴は違うという事ですが、なぜ異なるシステムにしたのですか。 SITER SKAIN ALLTYNEXシリーズはストーリー的に関連があるとはいえ、最初から全く別のゲームを作るつもりで開発がスタートしました。ストーリーありきではなく、ゲームシステムゲーム各作品にそれぞれ違う面白さを持たせたかったんです。ゲームとしてはそれぞれ特徴がでたと思っていますが、3作がストーリー的に関連があるというのは逆に判りにくくなってしまったかと思っています。 Daedalus Machine 御サークルがゲーム制作を始めて以来、日本でのインディゲーム界はどのように変化してきたと思いますか。 SITER SKAIN 活動を始めた1999年あたりでは自作ゲームの開発環境がようやくWindowsに移行完了しはじめた頃でした。そこから10年くらいは同人ソフトを取り扱うショップも多く、そういったショップで取り扱っていただくことで販売本数を増やしていました。ただ知る人のみ知るという狭い世界だったと思います。しかしここ10年くらいでまた状況が大きく変わっていて、ダウンロード販売、海外での展開、コンシューマでのインディーゲーム開発解放など、全体で見るとより大きな市場になっていると思います。かわりに同人ショップでの取り扱い数は減っています。 Daedalus Machine 日本の同人ショップについてあまりよく知りませんので、その背景やどう販売されていたか少し教えていただけますか。例えば、どれくらい一般的だったか、またどこにあったか、またどうやってそのショップで自分のゲームを売る事ができたのでしょうか。 SITER SKAIN 同人ソフトを取り扱ってくれるショップの始まりについては詳しくないのですが、書店関係やPCソフト関係のショップの一部が、いわゆるマニア向けアイテムとして、同人ソフトを取り扱い始めたのだと思います。同人ショップは多くが日本の秋葉原に集中していましたが、全国チェーン展開している店もあり、日本各地でも販売していました。 自分のサークルでは2001年あたりからそれらの店に委託販売の依頼をかけてソフトを置いてもらうようになりました。店によっては委託形式ではなく買取で取り扱っていただいたところもあります。ただ、2010年を過ぎたあたりからでしょうか、同人ソフト販売の売り上げでは店が維持できないショップが徐々に増えていき、その後のオンライン販売の拡大などもあって同人ソフトを取り扱ってくれるお店の数はかなり減りました。今ではショップ販売よりSteam販売を狙っているサークルのほうが多いとおもいます。 Daedalus Machine 御サークルのメンバーについてそれぞれの役割等を教えてください。 SITER SKAIN 自分を含めて3名で活動していて、基本的に全作業をサークル内部で完結しています。1名は完全にプログラム技術のサポート(内部での技術QA対応)みたいな感じです。 ゲーム開発では自分の作りたいものを作ってメンバーが補助するという形なので、明確な役割分担が存在しません。例えば神威はOPやEDの1枚絵の一部以外は全て自分が作っています。RefleXでは自分は絵の8割くらい、音楽全般の担当で、ゲーム本体部は別メンバーが担当、ALLTYNEX Secondではプログラムサポート役担当にいろいろ助けてもらいつつ、ゲーム開発自体は全て自分が担当しています。現在開発中の重竜騎兵ドラグアームズは現状自分一人で作っています。 Daedalus Machine 御サークルでグラフィック、楽譜、効果音含めすべてのビジュアルと音楽アセットを自分達で作られているとのことですが、外部に頼まないで自分達で作る事にした理由は何ですか。 SITER SKAIN そもそも外部に頼むという発想がありませんでした。身近な友人たちに手伝ってもらう程度で、結局その流れで今のSITER SKAINが存在しています。音楽等も、自分で作るからには自分のイメージした曲にしたいと思い、すべて自分達で作っています。 Daedalus Machine グラフィックや音楽アセットは何のプログラムを使って作っていますか。 SITER SKAIN グラフィックは、神威やRefleXのドット絵中心のころは、友人が作った独自のドット絵エディタを使っていました。3Dメインになってからはグラフィックツールは主にフォトショップ、3Dのモデリングソフトはメタセコイアというソフトを使っています。 音楽については、古い機種ですが今でもRolandのSC-D70という機種を使っています。作曲ツールも、開発会社がすでに存在していないような古いものを使っています。新しいものに変えようと思うものの、現状は使い慣れている物をそのまま使い続けている状態です。 Daedalus Machine ゲームを制作されるにあたって、どんなエンジンを使われていますか。またゲーム制作にはどのくらい時間がかかりますか。 SITER SKAIN ゲームエンジンは現状完全に自作のものとなっています。これは特にこだわりがあるわけではなく、ゲームを作り始めた時点であまり良いものがなかったったためです。今作っている物が完成したら、その次からは自作エンジンを捨ててUnityかUE4なりのエンジンを使う予定です。 ゲーム製作時間ですが、本業がゲームとは全く関係ない会社員ということもあって3年から8年とかばらばらです。仕事の都合で開発が完全にストップする事もあるので実際にかかっている時間は自分たちでもわかっていません。 Daedalus Machine ゲームエンジンを自分達で作られたとのことですが、制作時間がかかる中でかなり手がかかったのではないでしょうか。自作されたエンジンの強みと限界は何だと思いますか。それをどうして捨ててUnityやUE4を使われる事にされたんでしょうか。 SITER SKAIN 自作エンジンの強みはエンジン部分からしてゲームに合わせた作りにできること、なにか機能追加したいときにエンジンを自由にカスタマイズできることでしょうか。開発時間はどうしてもかかりますね。限界としては大規模エンジンと比べてどうしても機能少な目の小さなエンジンになってしまうこと、自分の理解できないような機能は実装できないことでしょうか。次回作で既存エンジンに移行しようとおもっているのは、苦労して組んだ機能がUnityやUE4では標準的な機能として実装されており、エンジン部分の開発よりゲーム本編の開発に時間を使いたいと思ったからです。 Daedalus Machine UnityやUE4ですが、長年デベロッパーをされてきて、それぞれのエンジンの強みと弱みは何だと思いますか。デベロッパーになりたての人へはどちらをお薦めしますか。またその理由を教えてください。 SITER SKAIN 強みは、とにかく3Dに関する基本機能が備わっていて、早い段階からゲーム本編に着手できること。そのおかげでプロトタイプの作成がしやすいというところでしょうか。弱みはエンジン部分に問題があったとき、自力で解決する難易度が高い、エンジンの特性を理解しないとパフォーマンスがでない可能性がある、等でしょうか。どちらのエンジンがいいかというと難しいですが、リアル系3Dグラフィックで攻めたいならUE4、3D2Dひっくるめてスマホを含むマルチプラットフォームを狙うならUnityのほうがよいのではと思っています。自分が次回作でどちらを使うかはまだ未定です。 関連コンテンツ
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