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10/20/2017 0 Comments

OGSD: 日本のインディーゲームデベロッパーインタビュー第1部

日本のゲームにおける「百合」と「萌え」、サークルに影響を与えたゲーム、「私の名は」という最新作について
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OGSDとのインタビュー、第1部
シュールズ・ダグラス (Douglas SCHULES)によるインタビュー

インタビュー第2部を読む
Read the interview in English
Daedalus Machine
「私の名は」のストーリーについて教えてください。
 
OGSD
人を襲う化物に変わってしまう呪いに掛かった主人公が、呪いを解く手がかりを得るために旅に出る、というのが基本的なストーリーになっています。


DM
このゲームで女性を主人公にした理由を教えてください。
 
OGSD
深い理由がある訳ではなく、制作メンバーのほぼ全員が萌え作品好きであるためです。これまでの作品の主人公の多くも、企画時に見ていたアニメのヒロインをモデルにしています。
 
また、近年、同人界では女性同士の恋愛を描いた「百合」というジャンルの作品が流行しているため、女性を主人公とすることで「百合」の要素を取り入れようともしています。
 

DM
モデルになったのは、どのアニメですか。

OGSD
今回の登場人物のモデルは以下です。
主人公
今回の主人公はオリジナルです。モデルは特にありません。
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エメ
「フランダースの犬」の「アロア」

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大婆様
「もののけ姫」の「ヒイ様」

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ベス
「デビルサマナー ソウル ハッカーズ」の「メアリ」

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デルミゴス
タレントの「マツコデラックス」

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ワイズマン
「四畳半神話大系」の「相島先輩」

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紅の魔女
「電脳コイル」の「イサコ」



DM
萌え作品好きとのことですが、「萌え」についてご意見をお聞かせください。「萌え」のコンセプトは日本語でも説明するのが難しく、海外の人に説明するのはさらに難しいです。「萌え」とはどういう意味だと思いますか。
 
OGSD
おっしゃられる通り、「萌え」については語源も定義もはっきりせず、雰囲気を捕まえてなんとなく使っている印象が私達にもあります。そのため、これから述べることは、そんな個人的な印象であることをご承知置き下さい。
 
萌えとは「好意的な感情の励起の一形態」であり、かつその対象が「非実在・或いは非日常のもの」と考えています。
つまり、現実上の好意の対象、すなわち普段の生活の中で接する異性・同姓・ガールフレンド・ボーイフレンド・配偶者に対しては「萌え」とは使いませんが、アニメ等のキャラクター・自分が生み出したキャラ、あるいは概念に対して使う言葉と認識しています。
 

DM
「萌え」は「かわいい」とどう違うと思いますか。私が海外の人に説明する時は「かわいい」とは基本的に固有の特性であり、「萌え」とは物事に対する情念(哲学者カントの崇高論)だと説明します。言い換えれば、「かわいい」とは「何かがかわいい」であり、「萌え」とは「その物を見て、得る感情」だと説明します。
 
OGSD
 「かわいい」はたしかに固有の特性を表した言葉とも言えますが、内側に発生する感情も含むと感じています。つまり、「かわいい何か」を見た人の心の中には「かわいい」という感情も発生している。
しかし、次には「かわいい」の感情と「萌え」の感情を分けるものは何か?という問題が発生します。その回答が前述の対象の違いと考えます。
 
 
DM
女性を主人公にしたゲームは珍しいと思われていますが、日本の場合、私はそう思いません。女性を主人公にするのが人気なのはどうしてだと思いますか。
 
OGSD
やはりアニメの影響が一番大きいのではないかと思います。日本には以前より、魔法少女のような「女の子が戦う」という作品が少なくないため、ゲームの主人公が女性であることを自然に受け入れられるのだと思います。
 

DM
概して正しいと思いますが、「女の子が戦う」という事と「魔法少女」のつながりは比較的最近の事で1990年代に人気が出ました。それ以前はこの二つのコンセプトは別々の事であり、結果として美学も市場も異なっていました。例えば、「ひみつのアッコちゃん」から「美少女戦士セーラームーン」、「魔法少女リリカルなのは」と変化していった事が考えられるかと思います。
 
それを踏まえて、この変化についてのご意見を聞かせていただけますか。これらのアニメは昔は女の子向けに放送されていましたが、それが男性に受けるようになったのはどういう変化があったからだと思われますか。
 
OGSD
当サークルのメンバーは全員30代で、少女向けアニメに触れたのが「セーラームーン」が最初、という者が殆どです。ですので、我々の世代としては特別不自然に感じていないため、特別な意見もない・・・というのが正直なところです。
 
日本のコンテンツ産業の変遷については、もう少し上の世代の方なら、その変化を肌で感じているかもしれません。
 
 
DM
最初の体験版はC91で、別バージョンをC92で配布されました。どんな内容を加えましたか、また変えた所はどんな所か教えてください。
 
OGSD
主な追加内容は以下になります。
  • 主人公の育成システムの追加
  • 主人公の武器,装備の種類の増加
  • ステージ,敵キャラクタの追加
  • ストーリーの追加
 

DM
完成版にはどんなアイデアを取り入れる予定ですか。
 
OGSD
システム面は大きくは変わらない予定ですが、主人公の武器やステージ、敵キャラクタなどを追加する予定です。


DM
「私の名は」はファミコンの「アルゴスの戦士」や「伝説の騎士エルロンド」の横スクローリングアクションゲームを思い出させます。これらのタイトルはちょっと古いような気がするのですが、「私の名は」を作るにあたってどんなゲームの影響があったか教えてください。
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My Name スクリーンショット

OGSD
「私の名は」は、実は大本は、フロムソフトウェアから発売されている「ブラッドボーン」の影響を色濃く受けたゲームになります。
 
また「魔界村シリーズ」「悪魔城ドラキュラシリーズ」「朧村正」「ドラゴンズクラウン」「EARTH WARS」等、ファミコン時代の古典的なゲームから最近の横スクローリングアクションゲームまで、多くのゲームを参考にしています。


DM
「私の名は」は横スクローリングアクションゲームジャンルのどこに位置すると思いますか。
 
OGSD
昨今アクションゲームは3Dが主流となりました。世間で高評価を得ているアクションゲームもみな3Dです。
 
これらの3Dゲームの面白さを「古典的な横スクロール」という土台の上で生み出すことを目指しました。


DM
ゲームを始める時、プレイヤーは剣か斧か選べるようになっています。これらの武器の良い所は何でしょうか。またOGSD様は好みがありますか。
 
OGSD
製品版で新たに格闘、大剣、槍を追加していますので、あわせて特徴を説明します。

剣
攻撃力は低いが振りが早くモーションが素直。上を押しながら攻撃すると上方向へ攻撃し、下を押しながら攻撃すると下方向へ攻撃する、というふうに直感的に操作できる。
 
斧
攻撃力が高い反面、振りが遅く空中での連続攻撃も不向き。通常攻撃の射程は短いが、遠距離攻撃の手段を持っている唯一の武器。
 
格闘
攻撃力が低く射程も短いが非常に素早い攻撃が可能、また魔法の発動も早い。軽いのでヘヴィアーマーなどの重鎧と合わせることにも向いている。
 
大剣
圧倒的な攻撃力と攻撃範囲を兼ね備えた武器。一方でモーションに癖があり、銃を扱うこともできず、魔法の発動に非常に時間がかかる、とデメリットも多い。
 
槍
攻撃力、攻撃速度ともに平均的だが射程距離が長い。多くの敵の攻撃範囲外から攻撃できるのでうまく立ち回ることで一方的に攻撃できる。
どの武器も手塩に掛けて作り上げたものですので、どの武器にも思い入れがあり、一つを選ぶことは難しいです。
 
強い弱いよりも明確な個性を出すことを心掛けました。どの武器を使っても遊べて、そしてそれぞれに違う楽しみがある、プレイした人にそう感じてもらえる武器になっていると幸いです。
 
 
DM
個人的には斧が好きなんですが、投げた時に悪魔城ドラキュラの斧のサブ武器のように動きますよね。悪魔城ドラキュラの事を考えながら作られましたか。
 
OGSD
意識しました。斧は空中での連続攻撃が不向きという特徴を付けるつもりでしたので、剣の様な打ち上げ攻撃ではなく、かつ斧の通常攻撃や下攻撃と競合しない攻撃モーション、という条件で考えて投擲に行きつきました。
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DM

C91の体験版では、第2ステージで二人のボスが出てきます。動画レビューにも載せているように一人は隠れた巨大アニメキャラです。C92でお話しした時に、あれはテスト段階で残った物だとおっしゃいました。なぜあれを入れる事にしたのかもう少し詳しく教えていただけますか。


OGSD
第2ステージのアニメキャラは、プログラム担当がテストのために作成したキャラクタになります。新しい機能を実装する際、あのアニメキャラでまずテストを行っていたため、プログラム担当の思い入れが強く、「どうしても残したい」ということであったため、体験版ということもあって隠しキャラという形で残しています。
 
ただ、製品版では、あまりに世界観と合わないため、削除しました。
 
 
DM
それは残念でしたね。あのようなイースターエッグがあるゲームは面白いし、そのゲームを別の角度から楽しめると思います。例えばエイリアンに主人公が誘拐されるプレイステーションのサイレントヒルなどがそうです。とにかく、日本のゲームの多くはそういった追加コンテンツを入れません。一般的に同人やインディゲームがそういった事を避ける理由に何があると思いますか。
 
OGSD
サークルによって様々な事情があるかと思いますので、当サークルの事情になりますが、最も大きな理由は余裕がないからです。
 
コミケに参加する場合、コミケの開催日という絶対的な開発期限が存在しますので、限られた人員が限られた時間を使って制作している当方のような小規模サークルでは、イースターエッグのようなお遊び要素にまで手を回せる余裕がありません。
 
もう一つは、同人活動というのが一つの自己表現となっているからだと思います。
 
当サークルにも、お遊び要素が好きな者はいるのですが、そういうお遊び要素を好まず、自分が思い描く通りに作りたい、というメンバーもいます。開発する上でやはり企画者の意見が最も通りやすいため、今回の「私の名は」のように後者の嗜好を持つメンバーが企画者の場合、企画者の鶴の一声でお遊び要素が削除されることもあります。
 
 
DM
なるほどですね。では、御サークルではどのような構成になっているか教えていただけますか。また企画者はどのようにして選ばれるのでしょうか。
 
OGSD
サークルのメンバー構成ということでしたら、現在は下記のような人員構成で活動しています。
  • Esto: シナリオ・グラフィック
  • ぼしゅー: プログラム・シナリオ・グラフィック
  • kotzu: グラフィック・シナリオ
  • Sota: サイト管理・プログラム
  • あおい: グラフィック・プログラム

企画者は、コミケ終了や作品完成後に開催している次回活動会議で決定しています。
 
活動会議にて、企画案を持っているメンバーが他のメンバーにプレゼンし、その内容を各メンバーで検討し、次回作成する作品を決めています。その際に企画を提案したメンバーが企画者となります。
 
 
DM
このゲームをSteamやPSNのようなプラットホームをリリースする予定ですか。
 
OGSD
現状ではまだ考えていませんが、同人ソフトのダウンロードサイトに登録するかもしれません。
 
 
DM
日本以外の国でこれを読んでいる人のために、日本でどの同人サイトが人気があるか、どういった仕組みになっているか等、少し教えていただけませんか。
 
OGSD
私たちが利用している主な同人販売サイトとしましては以下があります。
  • DMM.com
  • DLsite.com
  • DiGiket.com
 
いずれも、ユーザ登録をして電子マネーまたはクレジットカードで支払いをすると、サイトから同人ソフトをダウンロードできるシステムになっています。
 
ユーザ登録としておくと何度でも再ダウンロードできますし、サークルによるソフトのバージョンアップなども受けられます。
 
 
DM
「私の名は」を作るにあたってどれくらいの期間がかかりましたか。
 
OGSD
「私の名は」は2016/08/07から開発していますので、C92版でほぼ1年になります。
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