ゲーム制作やデザイン、デジゲー博への参加、自分達のゲームをプロモーションする時のデベロッパーとしての難しさについて話します
Hamazaki Factoryとのインタビュー第2部 シュールズ・ダグラス (Douglas SCHULES)によるインタビュー
Daedalus Machine
モバゲーには無料でプレイできるものが多くありますが、それについてどう思われますか。また、このカテゴリーについてこのゲームはどういった位置にあると思いますか。 Hamazaki Factory ただゲームを出して遊んでもらうだけなら無料でも問題ないですし、より多くの人の手に届く可能性があるので歓迎です。しかし、収益を上げることを考え始めると、とたんに難易度が上がります。特に昔ながらの売り切りのゲームデザインではダメというのがきついですね。無料モデルで収益を上げるためのゲームデザインをどうしたらいいのか? どうしたら自分のゲームにマッチしたものになるか、日々考えています。 無料モデルでも以前は、無料アプリ+広告でのモデルが主流でしたが、今では、広告+ゲーム内有料アイテム+長期運営まで考えないとならないようで(この辺はセミナーの聞きかじり情報です)、どんどん個人開発者には厳しくなっています。これも数年でどうなるかわからないですし、変化が激しいですね。それについていかないと生き残れないってことですけど。 Daedalus Machine ゲームを完成させるのにだいたいどれくらいかかりますか。 Hamazaki Factory 作りたいものの規模によってマチマチです。最長が今作っている「Black Blood Breaker」で、制作に手を付けてから一年半経過しています。某A社のプラットフォームで、アプリをリリースしたら本数に応じてギフト券プレゼントするという、アプリデベロッパーを増やしたいという現金なプラットフォーマーの戦略に乗っかるために1週間で、1本でっち上げたりもしました。PC時代から考えると、それなりのものを作ろうとしたらだいだい1年くらいかかっていますかね。我慢の限界もそれくらいなんですけど、今回はそれを大幅に超えそうな勢いです。我慢の限界を超えてもやり続けられる理由は、ゲームが完成したらわかるのかもしれません。 Daedalus Machine それらのゲームは海外でも手に入れる事ができますか。 Hamazaki Factory アプリで出しているものはまだ配信されているかと思います。(注:アプリのリストは第1部の最後に書いてあります)
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海外でも手にいれる事ができるようですが、十分に楽しめるかどうかという点で、何か工夫をしたりしていますか。例えば、ゲームの翻訳やデザインなどありますか。言葉が分からなくても理解できるよう内容を変えたりすることはありますか。 Hamazaki Factory これまで出したアプリに関しては、とりあえず翻訳サイトでお願いしたりGoogle翻訳で日本語メニューを翻訳しただけの対応にとどまっています。ゲームのデザインも、海外向けに言葉なしでも楽しめるように使用といったことを意識はしていません。 「Black Blood Breaker」では、英語とローカル言語を併記するというUIデザインに挑戦しています。英語圏のプレイヤーにカタカナがグラフィカルに見えるという話をどこかで見て、「だったらベースのメニューに英語を使って、補足的に日本語を使えば、英語圏の人は日本語の部分をデザインとして見てくれて、日本人は英語の部分をデザインとして見てくれないかな?」と思い、現在のメニューの形にしていきました。結果というか、現状もですが、大きな問題が出ています。とにかく「文字情報が多すぎ! うざい!」です。1つの画面に2つの言語の文字がひしめきあっているのですから当然ですね。今回は、文字に頼りすぎたUIにしてしまったと反省しています。 とはいえ、すでに直しようがないので、アイコンをうまく使ったりして、可能な限り調整していきます。 Daedalus Machine 全体的に様々なアプリストアでゲームを売られているようですが、これまでのご経験から、ゲーム配信のためのこれらのプラットフォームの強みと弱みは何だとお思いになりますか。 Hamazaki Factory 残念ながら、強み、弱みを判断できるほどDL数が出ていません。個人でできる範囲で、配信できる場所へ出しているだけです。そもそも判断できるほどアプリを作ってないですし……。 Daedalus Machine コミケやデジゲー博で見られるほとんどのインディゲームや同人ゲームはパソコン用のゲームですが、Hamazaki Factoryはモバゲーとなっています。まず、なぜモバゲーのゲームを作ろうと思われたのか教えていただけますか。また、日本のデベロッパーにパソコン用のゲーム作成をされる方が多い理由は何だと思いますか。 Hamazaki Factory 単にコミケやデジゲー博の中だけの印象から、PC用のゲームを作成する人が多いと感じるのではないのでしょうか? 現在のアプリ状況を見れば、個人デベロッパーの数は、モバイルの方が多いという印象です(数値を知らない個人の印象ですが)。PCで同人ゲームを作っている人、作り続けている人がいる理由については、個人的には全くわかりません。今回、デジゲー博に初めて参加しましたが、本当にこの熱量はいったいどこからくるのだろうか、と圧倒されっぱなしでしたね。本当にゲームを作るのが「好き」でやっているだけなので。 Daedalus Machine そうですね、確かに私はコミケやデジゲー博のようなイベントに多く参加していますので、市場リサーチに反してインディデベロッパーはPC用のゲームばかりを作成しているように見えます。デジゲー博に参加されたのは初めて都の事なのですが、参加前はこのイベントについてどのような印象をお持ちでしたか。 Hamazaki Factory 参加前は同人即売会のようなタイプのイベントなんだろうなぁという印象でした。体験版を頒布したり、グッズ作ったりして、来場者と一緒に楽しむイベントというイメージです。スマホ向け、しかも展示のみは不利というか見向きされるのかどうかが非常に不安でしたね。 Daedalus Machine 日本のプレイヤーはパソコン用ゲームとモバゲーに対する期待という点でどういった違いがあると思いますか。 Hamazaki Factory プラットフォームにいるユーザーの傾向はそれぞれあると思います。モバイルならライト向けだ、PCならヘビー向けだ、というような分け方とか。しかし、逆のパターンでも売れることはあるわけですし、違いなんてものはあってないようなものじゃないんですかねぇ。よくわかんないです。というか、それがわかっていたらそれに向かって、ユーザーに受けるゲームを作っていると思います。 Daedalus Machine 自作されたゲームをどう売り出してきましたか。 Hamazaki Factory 逆にどう売り出していけばいいんでしょうか? と聞きたいです。今のところやってきたことと言えば、予約サイトに出してみる、twitterで宣伝、ブログで制作日記を書く、ゲーム系の勉強会やセミナーに行って交流する、頒布会などのイベントに参加するくらいです。いまなら著名なゲーム実況者に取り上げてもらうというのが効果あるみたいですが、その伝手もなく……プロモートしてくれる人、場所が切に欲しいです。 Daedalus Machine 予約サイトを使われているとの事ですが、「Game Connect」のようなものを使われているという事でしょうか。アメリカではあまり使われていない方法なので、こういったタイプのサイトについてご説明いただけますか。また、そういったサイトにご自分のゲームを掲載させる時にどういった作業が必要か教えていただけますか。 Hamazaki Factory 使ったことがあるのは「予約Top10)」です。ゲームのリリース情報を登録しておくと、「面白そう」と思ったユーザーが予約して、実際にゲームがリリースされたときに予約したユーザーのもとへリリースメールなどが飛ぶという感じです。登録に必要な情報としては、画面や映像、ゲーム説明といった、各ストアに出すようなものです。予約者にプレゼントもできたりするようですが、使ったことがないので詳細は不明です。一応、軽い審査もあるようですが、よほどひどくなければ個人でも大丈夫かなぁと。「絶大な効果がある!」といえるほどの体験はしていませんが、個人でスマホ向けのゲームを作っているなら「やったほうがいい」と思いました。もちろん、大手のゲームがひしめく中、見つけて、予約までしてもらえるようにするのは苦労すると思いますが。 Daedalus Machine ゲームを作りたい人へのアドバイスは何かありますか。また東京でゲームを作りたい人へのアドバイスはありますか。 Hamazaki Factory 昔に比べ、ゲームを作る道具はいくらでも手に入るようになりました。道具はあるので「ゲームを好き」という気持ちと同じくらい「ゲームを作りたい」という気持ちがあれば、ゲームを作るのはそれほど難しいことではないと思っています。ただ、他人が「面白い」と喜んで遊んでもらえるようなゲームを作りたいとなると、とんでもなく難易度が上がりますし、そういうゲームをどうやって作ればいいかなんて、まったくわからないですけどね。とにかく今は、自分の好きなゲームを好きなように作っていけば、そのうち見えてくると信じて好き勝手にゲームを作る日々を送っています。 場所に関しては、ネットがある世の中、どこでも川習いと言いたいところですが、勉強会やセミナーの多さもそうですが、特に直接人との交流するのは東京が有利かと思います。ゲーム会社に入って、職にしたいとかいう場合もそうなるのかなぁ。 でも、東京に来たからと言ってゲームが作れるようになるかは別問題なので、個人でゲームを作りたいというのであれば、とにかく手を動かすことが一番大切だと思っています。 関連コンテンツ
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