9/29/2017 0 Comments へきらく屋: 日本のインディーデベロッパーとインタビュー 第1部
インタビュー第1部ではヘきらく屋という日本のインディーデベロッパーと処女作に関するゲームデザイン問題と作成予定について話します。最初の体験版はコミケ91でリリースされましたが、コミケ92ではもっと機能を入れた最新版が出ました。このインタビューはコミケ92の数週間後に行いました。
へきらく屋とのインタビュー、第1部
シュールズ・ダグラス (Douglas SCHULES)によるインタビュー
Daedalus Machine
C91で配布されたITOYUIは体験版でしたので、ストーリーがありませんでした。このゲームのコンセプトについて少し教えていただけますか。 へきらく屋 イベントで配布している体験版はあくまで現状報告という面がありますので、C91の段階ではストーリー部分まで含めることができませんでした。 ITOYUIのコンセプトは『ストーリーとゲーム性の融合』です。どちらにも拘っていきたいと思っています。ゲームの雰囲気としてはダークさを基調としているのですが、その中にも一種のユニークであったり、ライトな部分を盛り込んでいき、あまり重くなりすぎない世界観をつくりたいと思っています。 DM では、実際ストーリーはどういったものなんでしょうか。 へきらく屋 まだ開発段階ですので、詳細はお答えできかねますが、あらすじとしては、今作のゲームは『とある場所にひっそりと建っているホテル』が舞台です。不思議なことに、そこに宿泊している客は皆記憶を失っている。プレイヤーは宿泊客の心の内部(バトルシーン)に入り込み、彼らが記憶を取り戻すきっかけとなる『記憶の欠片(ピース)』を持ち帰ってくる。というのがゲームの中で行われる一連の流れです。記憶の欠片を集めていくにつれ、宿泊客は次第に失われた記憶を取り戻していきます。ストーリーはそれぞれのNPCキャラのオムニバス形式となる予定です。 DM 体験版は短かったですが、いくつかのSRPGの影響があると思いました。例えば、戦いの時に仲間を呼び出すところはPS2の「ファントムブレイブ」を思い起こさせます。ITOYUIをデザインする時に、どんなゲームの影響がありましたか。 へきらく屋 ITOYUIはSRPGですので、同ジャンルのゲームは一通り参考にさせていただいてます。たとえばバトルの流れ、画の見せ方、UIの配置などですね。その他バトル以外の面でも影響を受けたゲームはジャンルを問わずあります。 DM 体験版でこのゲームはC92の時に完成するかもしれないとありましたが、お話させていただいた時には、思ったよりもう少し時間がかかりそうだとのお話でした。ゲームをデザインする時、何か問題がありましたか、また他のゲーム製作者にアドバイスをするとしたらどんなアドバイスがありますか。 へきらく屋 実際、完成はもう少し先になりそうです。当面の目標は今年(2017年)中に一通りのシステムを実装したα版を完成させることです。 ゲームデザインに関しては問題が山積という状態です。特に今回のゲームは他のシミュレーションRPGには見られないシステムを導入しようとしているのですが、これもプログラマと試行錯誤しつつ作成しています。 自分も個人で行うゲーム開発に関しては初心者なのでアドバイスというのもおこがましいですが、どんな形であれ「ゲームを完成させる」という意識を持つことと、「最後まで制作に付き合ってくれる仲間」を見つけることですかね。 DM このゲームの完成版ではどんな計画がありますか。 へきらく屋 SRPGではあまり見ない、新しいシステムを実装することです。ITOYUIは大きく「フィールドパート」と「バトルパート」の2つに分けられる予定なのですが、このどちらのパートにも従来のゲームにはなかったシステムを盛り込むつもりです。それらをゲームとしての面白みとして落とし込んでいくことがこれからの課題ですね。 DM この事について具体的にどういうシステムか教えていただけますか。従来のゲームとどう違うシステムなのでしょうか。 へきらく屋 C92にて現段階のデモ版で配布したものにはすでに実装されてますが、バトルシーンでは『リバーシブルシステム』を導入しました。マップの上面だけではなく下面も活用することにより、より戦略性も増すのではないかと考え採用しました。フィールドシーンではNPC同士の関係性に注目し、プレイヤーの行動により関係性がダイナミックに変化する『絆システム』の導入を考えています。もっともこちらはかなり複雑なシステムとなるので、実際に組み込めるかは検証する必要がありそうですが。 DM ボンドシステムができたら、ゲームではどう反映されますか。システムはストーリーや何に出会うかを変えるのに使われたり、プレイヤーがアクセスできる能力にも影響してくるかと思います。こういった事でしょうか。 へきらく屋 概ねそうですね。今のところこのシステムによりサブストーリーの分岐ができるようにする予定です。バトルシーンでも活かせたらいいのですが、それに比例して作業量も多くなってしまうので、可能な範囲で盛り込みたいと思っています。 DM バトルシステムについてなのですが、デモでは、人形やマリオネットを召喚するだけでした。他にはどんな事を入れる計画がありますか。 へきらく屋 プレイヤーの行動に関して言えば、プレイヤーとして操作する主人公のイトは『糸結(いとゆい)』という能力を持っています。『召喚』もこの糸結の能力の一種なのですが、他に召喚したキャラクターを回復させたり、強化することのできる『糸援(しえん)』、戦闘不能となったエネミーを経験値に変化させる『封印』などがあります。また、召喚したキャラクターは基本的にはプレイヤーから離れることができません。その仕様を活かした攻撃なども考えているところです。 DM 完成版のゲームプレイは何時間ぐらいだと思いますか。 へきらく屋 制作に取れる時間次第で増減すると思いますが、20時間程度を想定しています。
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