10/20/2017 0 Comments OGSD: 日本のインディーゲームデベロッパーインタビュー第2部
JRPGとWRPGについて、過去の作品、インディゲームと同人ゲームの違い
OGSDとのインタビュー、第2部
シュールズ・ダグラス (Douglas SCHULES)によるインタビュー
Daedalus Machine
御サークルについて詳細を教えていただけますか。例えば、どのぐらいの期間、どこで活動されているか、またメンバーの人数、など。 OGSD 当サークルは、広島大学にありました同好会「ゲーム制作同好会」(通称「GSD」)のOB会になります。メンバーも全員、同会のOBです。 活動期間は9年になります。2008年の夏に開催されましたC74に GSDが出展し、その打ち上げにOBの数人が参加しました。その際に「またサークル活動がしたい」という話で盛り上がり、実際に活動をすることとなりました。現在は主に5名で活動しています。 メンバーは全員一般の会社員であり、勤務地や勤務シフトも異なるため、基本的にネット上で活動しています。普段は掲示板でやり取りをし、1~2月に1回Skypeで会合しています。 DM だいぶ長い歴史があるようですね。これまでに作成されてきた作品について教えていただけますか。 OGSD これまで発表したゲーム作品は以下になります。 R4 DM これまでのゲームや文化の経験から、JRPGとWRPGについて御サークルメンバーの方々はどのようにお考えでしょうか。これは多くの海外のファンが議論するトピックで、クールジャパンキャンペーンによってより話題になっています。 OGSD 当サークルにWRPGをプレイするメンバーがいないので、大したことは言えないのですが...。 一つの意見として、ゲームの基礎が出来たときのターゲットユーザの影響ではないかというものが挙がりました。 WRPGはPCゲームの初期に基礎が生まれ、主に大人のPCユーザをターゲットにしていたものかと思います。一方で、JRPGの礎はFC・SFC時代にできたもので、その頃日本では「ゲームは子供が遊ぶものというの」というのが社会通念でした。故にデフォルメされたキャラクターや勧善懲悪なストーリーなど子供に遊ばせるという要素が根底にあるのではないでしょうか。 DM 今後のサークルの活動予定を教えてください。 OGSD C93に向けて、「私の名は」の後編を引き続き制作していく予定です。 それ以降はまだ未定となっていますが、継続して定期的に何らかの作品を発表していけたら、と考えています。 DM 御サークルではどんなゲームをデザインするか、どうやって決めますか。 OGSD 制作する作品は、定期的にSkypeで開催している会議内で、メンバーがそれぞれ作りたい作品の企画を持ち寄り、その中からどれを作成するかを話し合って決めています。 DM コミケに参加されていますが、その経験について教えていただけますか。 OGSD 元々広島大学ゲーム制作同好会で、伝統的にコミケに参加しており、その流れで当サークルも結成初期よりコミケで主に作品を発表しています。 DM 今まで私はコミケのようなイベントで出される物を「インディゲーム」と呼んでいましたが、実際には、コミケでは「同人ゲーム」と呼ばれています。この二つの呼び方の違いは何だと思いますか。「インディゲーム」と「同人ゲーム」と何がどう違うと思いますか。 OGSD 個人的な印象ですが、「同人ゲーム」はコミケや同人ソフト専門のダウンロードサイトのようなクローズドな範囲でのみ発表されるゲーム、「インディゲーム」はそのようなクローズドな場だけでなく、SteamやPSNのような汎用ゲームプラットフォームなどでも発表される、より活動範囲の広いゲーム、という印象を持っています。 DM ゲームがどこで売られているかが違いという事ですが、コンテンツに関してはどういった違いがあると思いますか。 OGSD 大きな違いは、二次創作物とアダルト作品の有無だと思います。 前者は著作権的に同人としてしか発表できないジャンル、後者は規制の緩い日本でしか発表できないジャンルですので、自ずと同人ソフトとしてしか発表されない作品となるのかと思います。 特に前者は、法的にグレーゾーンですが、日本独自の文化として黙認されてきた、という歴史がありますので、同人ソフトの特徴的なコンテンツかと思います。 DM コミケでの経験を踏まえて、日本のインディゲーム界の今後はどうなると思いますか。 OGSD 間口は年々広がっていると感じていますので、ますます盛り上がって欲しいと思っています。 UnityやUnrealEngineのような汎用ゲーム開発環境がフリーで提供されだしたことで、開発の敷居はぐっと下がっていますし、Steamのような大規模なプラットフォームでもアマチュアサークルのゲームが発売できるようになり、作品の発表の機会も増えています。 高い技術力を持った全国のアマチュアがネット上で集まり大規模なゲームを作ることも、個人がフリーの素材を駆使して思い通りの作品を作ることもできる環境が揃っていると感じます。 ただ、Web上ではあまりに多くのサイトや作品が乱立していますので、有名なサークルや画面の派手な作品ばかりが目立ち、小さな作品は埋もれてしまうことも多いかと思います。そういう意味では、様々な嗜好を持った大勢の人が集まり、対面で作品を販売できるコミケは、今後も貴重な作品発表の場として機能するのではないかと考えます。
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