Steam、 インディゲームの未来、宣伝活動につて
Siter Skainとのインタビュー、第2部
シュールズ・ダグラス (Douglas SCHULES)によるインタビュー
Daedalus Machine これまでどんな宣伝活動をされてきましたか。 SITER SKAIN 1999年の「神威」の頃は個人のWebサイトで開発記録を公開していた以外は全く宣伝しておらず、公式のサークルサイトすらない状態でした。ただ当時は同人ソフトを求める人たちが自分たちで進んで情報を集めるような時代だったこともあり、また神威はとある会社からの一般流通での販売、100円ショップでの2面までのバージョンの販売等もあり、そこから一気に話題になりました。 2008年の「RefleX」、2010年の「ALLTYNEX Second」では公式のサイトを作ったほかには、応援用のバナー等を作って他の情報サイトに貼ってもらったりしました。また同人ショップに働きかけて、宣伝用のページを作ってもらったりしました。 これら3作の英語版を海外で販売したいとNyuMediaさんから話があり、そちらでは Facebookで広告を出したりクラウドファンディングを行ったりしていただきました。 現在作っている重竜騎兵ドラグアームズはまだ完成が見えていないので、Twitterでのコミケ告知以外、これといった宣伝活動をしていません。 Daedalus Machine Twitchやニコニコ動画といったプラットフォームを使う事はお考えになった事がありますか。 SITER SKAIN ゲームとの連動などは考えたことはありませんが、宣伝の場としてはありだと思っています。ただ配信等で自分の顔や声が出るのは正直苦手なので、そこに関してはあまり積極的ではないです。 Daedalus Machine 多くの日本のインディデベロッパーはSteamで自分達のゲームを配布したいと考えているようですが、それは日本のプレイヤーではなく海外のプレイヤーに宣伝するためのように感じます。なぜSteamを使われましたか。 SITER SKAIN 日本ではゲーム環境としてはPCよりコンシューマ機のほうが一般的で、PCでゲームをする人というのは少数派です。PCは個人でゲーム開発が可能な環境として以前から存在していますが、プレイヤーの数はどうしても少なくなるとうのが正直なところです。自分たちがSteamに配信した理由は、自作ゲームを取り扱ってくれる同人ショップの数が減っていく中で今後どう販売本数を増やすかという問題がでてきたタイミングで、NyuMediaさんから海外版を出さないかという打診がきたからです。ただ、自分たちがSteam展開したタイミングと違い、今は日本のインディデベロッパは日本向けにもSteamで出したいと考えているチームが多いようです。パブリッシャーが日本の会社で日本語が入っているゲームも増えているようです。 Daedalus Machine Steamのプラットフォームは日本のプレイヤーにとってどれくらい人気があると思いますか。 SITER SKAIN 具体的な数値はわかりませんが、ここ数年でPCでゲームをする人の大半はSteamを使っているのではないか、と思うくらい人気が出ていると思います。数年前では考えられなかったくらいです。同時にPCゲームの日本でのパッケージ販売は極端に減ったような気がします。 Daedalus Machine NyuMediaを何度か取り上げられましたが、海外の読者のために簡単に説明していただけますか。またどうやって一緒に働くようになりましたか。 SITER SKAIN NyuMediaさんは比較的早い段階から、日本の同人ソフトを海外にも広めたいということで、パブリッシャーとして英訳版を販売する業務を行っていました。その作品の中で、ALLTYNEXシリーズ3作を海外で販売したいと声をかけていただきました。NyuMediaさんはすでに何作か同人ソフトを海外販売していた実績があったのと、担当者の方が日本語が堪能だったので、こちらは安心してこの話をすすめる流れになりました。 NyuMediaさんの公式サイトはここです。 Daedalus Machine ゲーム制作および宣伝活動について一番大変だった事は何ですか。 SITER SKAIN 制作についてはとにかく時間が足りないということです。作りたいものに対して開発に確保できる時間があまりにも少ないですね。結果、ゲーム1本開発するのに何年もかかる状態になってしまっています。学生の頃がいかに時間に余裕があったのかを思い知らされました。 宣伝については同人ショップ等に依頼をかける際、動画やスクリーンショット、素材などを渡すのですが、ゲーム開発の完成追い込み時期と重なってしまって大変な思いをしました。毎回、もっと早くから動いていれば宣伝用の素材も質をあげられたのに、とか思ったりしました。 Daedalus Machine これまでの経験から、日本のインディゲームデベロッパーやその作品は将来的にどうなっていくと思いますか。 SITER SKAIN 一昔前と比べて個人製作のゲーム開発は、ゲームエンジンの普及もあって取っ掛かりは圧倒的に楽になったと思います。また、コンシューマ開発やSteam等の販売が依然と比べて格段にしやすくなったのも良い点です。それ故に個人製作でも高い品質が求められて、それなりに売れるには結果としてハードルが上がっているのではないかと感じています。絵やボリュームに市販ゲーム並みのものを求めると開発が終わらなくなるので、よりアイデア重視のゲームが増えるのではないかと思っています。 Daedalus Machine ゲームを作りたい人へのアドバイスはありますか。 SITER SKAIN インタビュー内で宣伝や販売等の話もありましたが、まず重要なのは「自分が作りたいものを作る」事だとおもっています。これがなければ満足のいくゲームは完成しないと思います。あとは自分たちは1本開発するのに何年もかけてしまっていますが、正直言うとこれは悪い見本です。できるだけ早く完成させることを心がけてほしいです。 関連コンテンツ
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